今日の記事は経営コンサルタント小宮一慶さんの記事から感じたことを。
この中で言われる「優しい」という言葉を多くのマネジメントが履き違えていることが多いように思います。
(そうは言う私も、つい5年前くらいまでは履き違えていた一人です。)
■まず、リーダーが意思決定に対する覚悟をどれだけ持っているか。
私の経験からの失敗談としてお話します。
自分の思考や思慮の甘さや専門知識に乏しかったりした際に「自信のない意思決定」をしてしまうときや、
自分自身が嫌われたり、憎まれたり、マイナス評価を恐れたりする場合などに、強くリーダーシップを取りきれ無い時に、
結果的に凡庸な成果しか出せなくなり、チーム全体も何となく不完全燃焼な「やらされ感」になることがあります。
まず前提として、リーダーがやると決めたことに対して誰よりも高い熱量で取り組むことが一番重要なのは当たり前のことですが、
まずはリーダー自身がしっかりと「ハラオチ」して取り組まなければなりません。
(リーダーの熱量以上にはチームの熱量が上がることはありえないからです)
そのうえで、該当プロジェクトの参加メンバーに対して「厳しさ付きの優しさ」をもって接していくことが重要です。
■プロジェクトの構成メンバーと成果の定義
プロジェクトリーダーやマネジメント層になれるような人というのは、そもそもメンバー時代には10点満点中120点を取れるような、高い成果をあげたような経験を持つ人が多くいることでしょう。
だからこそ、自分ができることは自分のメンバーもできるだろう、と思いがちで、同じようなパフォーマンスを求めてしまうことはよくあるかなとおもいます。
しかし、大抵の場合、そのようなことはありません。
全員が4番バッターが集まるようなドリームチームを組めることは非常に稀です。(というかほぼ無い)
そんなメンバー構成の中で最大限の成果を出すことが求められるわけですが、野球でもサッカーでもポジションと求められる主たる役割があります。
まず、それらを明確にして、個別にメンバーに対して役割を定義します。
リーダーは全体に向けてのメッセージングを発信する機会も多くありますが、大きな方向性の話と、個別の役割周知のコミュニケーションは分けて行う必要があります。
所属メンバーが多くいる場合や、スキルも年次もバラバラなチームを率いることも多くあると思いますが、全体的な大きなメッセージだけだと抽象的すぎたり、メンバーによっては「遠すぎて自分ごと化できないこと」になってしまうことがあります。
「なんとなくわかるけど、ハラオチしていない。で、私は何をしたら良いのだろう?」
という状態が起きるのです。
■個別確認の仕組みを作る
私は全体のメッセージングのあとに、意識的に個別に声をかけるようにしています。
「さっきのMTGの内容どうだったかな?伝わった?何かわからないところ無かったかな?」
MTGへの参加態度や表情、どこでmemoを取っていたかなどを見ていれば、個別への質問ポイントもわかります。
また、個別のMTGを定例化することもオススメです。
「月一面談」「月一営業同行」「月一ランチ」など、どのような形でも良いと思います。
■伝言ゲームを活用する
例えば、プロジェクト責任者がいて、リーダーがいて、一般メンバーがいて、という組織形態が一般的でしょう。
責任者が管理できる範囲(=スパン・オブ・コントロール:span of control)は5~7人程度が妥当だと一般的には言われています。
しかしその中でも、メンバー構成の年代などが縦に長く伸びてしまったりすることはよくあることで、末端のメンバーまでうまく伝わりきらず、ミスコミュニケーションが起きることもしばしばです。
前述の通り、責任者と各メンバーが個別でコミュニケーションを取れればベストですが、そうも行かないこともあるので、積極的に中間リーダー層を活用することも必要です。
リーダーと直接ではなかなか言いにくいが、一枚間に入ると少し緩和されたり、理解が促進されたりすることもあります。
■チームとして大事にすることを定義する
戦略・戦術を推進する上で、チームとして大事にする事柄は明文化し、
そのチームの運営責任者として「何を評価し」「何に対しては叱るか(NGとするか)」というラインを明確にしておくと良いでしょう。
私は「フェアグラウンド(※)を定義する」と名付けています。
※野球のフェアグラウンドのこと
あたりまえですが、一から十まですべての指示をだすことは不可能です。また、「ホウ・レン・ソウ」は重要ではありますが、いちいちその都度報告・相談されても動きが鈍くなるだけですし、ある程度裁量を持たせてメンバーが動かないと、やはりやらされ仕事感からは脱却できません。
なので、最終成果のコンセンサスを取りつつ「ここからここまでは自分で進めてよし。この領域は要相談。それ以外はNG」の範囲を中間リーダー層ときめておくと良いでしょう。
■まとめ
「甘い上司」というのは結局は冷酷で自分のことしか考えておらず、
「優しい上司」というのは短期的には恐怖かもしれませんが、それは自分の足りないところを突いてくるから恐怖なのであって、長い目で見れば「あの時の指導があったからそこに気づけたし、良い成果を出せたよね」という気づきをもらえることなのだと、
この小宮さんの記事を拝読して改めて自分のこれまでを振り返りました。
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