先日、とある訪問先でのこと。
女性オーナーが営む金沢市内のジュエリーショップです。
現状課題の解決に向けて、いろいろとお話を伺ってきたのですが、そのショップにはエッジの立って商品はある。
情報の流通量が今ほど多くなかった少し前までは(といっても数年前ですが)、
商品の世界観をキレイに見せ、その商品のイメージを伝えれば、「ちょっと気になるな」となって来店から購買までの流れが作れていたようです。
しかし、ここ数年では、従来の方法論が通じなくなってきた、
そもそものユーザーのニーズや琴線、価値観も変わってきている、とそのオーナーは話していました。
確かに、10年前の顧客像と最近の顧客像を比較して聞いてみると変化があるように思いました。
ある程度情報が限られた中で選択していた過去と、過剰なまでの情報に接することができる現在。
インスタグラムや画像検索すれば、なんとなく今のトレンドを「画(え)」で見ることができてしまう。
そこには限られた情報やイメージの中から、その奥の情報を想像することや、行間を読むような行為自体が減ってきているのではないかと感じています。
写真や動画で直感的に好き、嫌いを判断して選択してしまう(できてしまう)ので、
それに慣れてしまうとじっくり情報を精査することがめんどくさくなっているようにも思えます。
では、そんな生活者の意識が変わってきている中で、どうやってサービスの提供者は付加価値を伝えていく必要があるのでしょうか。
どんどんサービスが似通ってくる中で、さらにwebを通じて情報を比較しやすくなってきた中で、
どこに生活者は価格以外の差別化ポイントを見出すのでしょうか?
それは「生産者の想い」や「商品やサービスにまつわるストーリー」ではないでしょうか。
例えば、ワインをいただく際に、ソムリエが
「これはどこで取れたぶどうで、こんな作り方で、そのワイナリーは兄弟で営まれているのですが、この年に作られたワインはその兄弟がはじめて共同で作ったもので、その年の●●賞を取って、かの有名な文豪▲▲も愛したといわれています。」
※ちなみに上記のワインのくだりは完全なフィクションですが、、)
なんて情報を与えてくれたとしたら、視覚的に見えているその商品だけでなく、その奥にあるより立体的な情報までもに価値を感じることも多いでしょう
(実際に、感じた経験がある方も少なくないのではないでしょうか)
なので、サービス提供者側で、付加価値ってなんなのかな、ともし悩んでしまうことがあるのならば、
とっても簡略していうならば
「ありのままのあなたの知識と想いを語ってください。そしてそれを可視化してください。」
ということになります。
そして、その可視化された情報を、どのメディアを使って、どう広げていくか、を考える。
広告宣伝はそれからでもいいのかもしれません。
※今日の写真は高岡市の「御車山祭」。GW中に行われるお祭りです。高岡は鋳物文化で栄えた街で、今でも銅や錫を使ったクラフトが国内外で人気です。
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